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株式会社ホロラボのブログです

ホロラボにおける製造業とXR

ホロラボ Advent Calendar 2024の11日目、事業推進部の岩崎です!

adventar.org

今日は製造業におけるXRについて記載させていただきます。

はじめに日本における製造業

日本における製造業は「経済成長」「雇用」「技術革新」にとって欠かせない要素です。

  1. 経済の基盤
    • 日本のGDPの2割合を占めており、国内外での輸出活動を通じて経済を支えています。特に、自動車、電子機器、半導体などの分野は世界の中心に位置付けています。
  2. 雇用創出
    • 日本の労働市場で多くの雇用を提供しています。また地方経済においても製造業が主要な雇用主となり地域の発展を支えています。
  3. 輸出産業
    • 日本の主要な輸出産業であり、自動車、電子機器は国際市場で高い評価を得ており、日本の貿易収支を黒字に保つ重要な役割を果たしています。
  4. 技術革新
    • 特にロボット工学、精密機械、材料科学の分野での研究開発は、他国に先駆けたイノベーションを生み出しています。
  5. サプライチェーン
    • 部品や素材が、世界の製品製造に重要な役割を果たしており、日本国内だけでなくアジアやその他の地域におけるサプライチェーンの中核を形成しています。

特に輸出産業として外貨を稼ぐ(貿易黒字を保つ)ためにも重要な産業です。

製造業におけるXR

Product Life Cycleという考え方。

製品の設計から生産、顧客への提供、廃止に至るまでのプロセスをライフサイクルで考え、このサイクルを効率的に管理することで、コスト削減、品質向上、持続可能性の確保を目指す考え方になります。

「XR」と考えた時にこれらのプロセスにマッチするのは「企画」「設計」「製造」になります。

「企画」「 設計」

XR技術を使うことで物理的な試作品を作成することなく、設計を視覚化し、改善することが可能になります。 XR(AR/VR/MR)を用いたデザインレビューにより、デザイナー、エンジニア、顧客がリアルタイムでフィードバックに納得感を持つことができます。

「製造」

危険を伴う作業環境をVRやMRでシミュレーションし、安全にスキルを習得可能になります。 実機を使用せずとも実寸機材を用いたトレーニングが可能になります。 MRを活用しての組み立てや整備のトレーニングを実施する企業が増えています。

また、製造業の中でも「重い」「大きい」「動かせない」など質量に制限のある製品を扱う場合はよりXRと相性が良いと感じています。 データであれば質量は無視できるので、金型を起こしたり、トレーニングのために大型機械を準備する必要がありません。

ホロラボにおける製造業とXR

ここまでは一般的な内容を記載させていただきました。 ここからはホロラボとしての取り組みをご説明させていただきます。

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■売上比率

15.5%

■案件数

35%(86件/242件)

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ホロラボ全体売上のうち15.5%を占めています。

売上比率だけを見ると影響が少ないように見えますが、製造業向けの案件は全案件数242件のうち86件と35%を占めており案件数は産業別でトップの数となっています。

チャンスが多いと感じる反面、これは1案件における単価の低さも示しており「PoC」からなかなか抜け出せない現状も意味しています。

今後、ホロラボとしては「PoC」ステージを脱し、より幅広く現場に導入されるようにサービスを提供していきたいと考えています。

受託事例

製造業様における受託の事例は内部情報にあたるので公には出来ないですが、ほぼ2つの用途が大半を占めていました。

トレーニング

ダントツで多いのがトレーニング系のアプリケーションです。

紙を削減したい、大きな構造物をデータ上で操作したい。といった要望が非常に多かったです。

  • マニュアル
  • 組立/分解

遠隔支援

こちらもトレーニングに匹敵するくらいの引き合いがあったと感じています。

  • 現場への遠隔地からの支援

とにかく課題は「人手不足」になります。

如何にトレーニング自体を省人化するか、学んでいる人を早く即戦力にするか、距離の概念を無くし支援するか、この3つが製造業全体が取り組んでいる事だと感じています。

AssistsとMeta Quest 3の可能性

個人的にホロラボにとっての一つのチャンスが当社サービスAssistsとMeta社のQuest 3だと感じています。

詳しくはリンクからHPをご覧いただくか、当社へお問い合わせいただけたらと思いますが、 Assistsは「OJT不要のトレーニングアプリケーション」もしくは「空間パワーポイントアプリケーション」とお伝えしておきます。

製造業の現場におけるマニュアルや要領書はPower Pointで作ることが多いと思います。

そのコンテンツをAssistsを使うことで空間にコンテンツを配置し学ぶことが可能になります。

マニュアルや要領書をPCや紙で「見る」のではなく、Meta社のQuest 3を用いて「経験」することが出来ると考えています。

「PoC」の壁を脱し、数十、数百と採用されるサービスになってほしいと思います。

製造業における「Metaverse」の可能性

「Metaverse」は「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語で、元々は作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表したサイバーパンク小説『スノウ・クラッシュ』に登場する架空の仮想空間サービスの名称でした。

2021年に再度バズワードになりましたがその後は一気に聞かなくなりました。

ただし、技術としては非常に魅力的で「Product Life Cycle」の中心に「Database」と共存することで「Metaverse」としての真価が発揮できると考えています。

あまり書きすぎると当社がこれから行っていくことのネタバレになってしまうのでほどほどにしておきますが、「Database」+「AI」+「Metaverse」が進むべき方向性だと考えています。

物理の距離を無くし、AIにエージェントをしてもらいながらデジタルツインとしてのMetaverseが存在している。

これを製造業の現場で実現できると考えています。

また、COOの伊藤が書いた記事に記載されているARクラウド技術がさらに「Metaverse」を進化させることでしょう。

この技術を使うことでMissionにある「フィジカルとデジタルをつなげ、新しい世界を創造する」ことを実現できると確信しています。

さいごに

XR技術は製造業ではまだまだ「PoC」の壁を脱する事が出来ていない状況が続いています。

ただ、今あるサービスでも「PoC」を脱し現場で実運用できる兆しが見えてきました。

さらに未来は「Metaverse」としてビジネスが広がる可能性が高いと感じています。

ホロラボは引き続き製造業向けへの投資を行っていきたいと思います。