ホロラボ CEOの中村です!
ホロラボは12月より新年度が始まります。 会社経営体制や組織体制が変わったこともあり、ホロラボの経営メンバーで Advent Calendar を書くことにしました。
ホロラボ Advent Calendar 2024 の記事一覧はこちら。
1日目は「ホロラボの新しいMISSIONとVALUE」です。
今年の9月に経営合宿を行い、次年度(今日から)の方針を立てるにあたり、改めてホロラボという会社のMISSION、VISION、VALUEに向き合おう。ということになり議論を重ねた結果、新しいMISSIONとVALUEを策定しました。 VISIONは策定していません。
この記事ではMISSIONとVALUEを新しくした背景、そこに至る過程を記します。
新しいMISSIONとVALUE
ホロラボの新しいMISSIONは「フィジカルとデジタルをつなげ、新たな世界を創造する」と決めました。
VALUEは次の6つを策定しました。
- 技術で世界を驚かせる
- 期待を超える
- 桁を変えて考える
- 誠実に向き合う
- チームで早く遠くへ行く
- 素直にふりかえる
ホロラボと従来のMISSION
簡単にホロラボという会社について、何の会社で、いままで何をしてきたのか。について説明します。 詳しい会社の紹介は明日に記載します。
ホロラボは2017年1月18日に創業した会社で、2024年11月に8期目が終わり、今日から9期目に入りました。 2017年1月18日というのはMicrosoftがHoloLensという頭部装着型のPC(いわゆるヘッドマウント型のデバイス)を日本で販売開始した日です。 ホロラボは「HoloLensのアプリを開発する会社」という目的で創業しました。
HoloLensはいわゆるXRという分野のデバイスで、MR(Mixed Reality : 複合現実感)に属します。 AR/VR/MRの定義はさまざまありますが、ホロラボでは「Reality–virtuality continuum」の考え方を採用しています。
「Reality–virtuality continuum」では、RealからVirtualまで連続した状態であり、それをMixed Realityと呼びます。ARやVRはその中のでReal, Virtualの度合いによって分類される考え方です。
ホロラボの会社ロゴにもその思想が反映されていて、「Reality–virtuality continuum」であり、ホロラボ(HoloLab)の「H」であり、HoloLensの前面から見た形状のようなデザインという、いくつかの意味を持っています。
ホロラボの創業当時からこれまで使っていたMISSION/VALUEはこちらです。
わたしたちHoloLabは、リアルとバーチャルをつなげ、新しいコンピューティングのスタイルや表現、体験を生み出すためのノウハウを広く世の中に提案し続けます。
Mixed Realityの世界を実現するためにさまざまな実験を行い、そのノウハウや結果を世の中に提案する会社としています。
この8年間でHoloLensから始まりMeta QuestやApple Vision Proのようなヘッドマウント型のデバイス用アプリ開発、BIMやCADを連携したアプリケーション開発、メタバースサービスのバックエンド、クラウドシステムと連携したサービス、AIやBIとの連携など、さまざまな取り組みをお客様と行ってきて、XR業界におけるリーディングカンパニーになったと自負しています。
また、ホロラボとして2018年および2019年に資金調達を実施しており、会社の成長と出口戦略が求められています。一方で、XR業界は想定以上に市場の立ち上がりが遅く、サービス提供では大きな成長が実現できないこともあり、結果として受託を含むシステム、アプリの企画開発を中心にした事により、いまも生きることができています。
なぜいまMISSIONを改訂し、VALUEを作ったのか
外部環境や内部環境が変わっていく中で、改めてホロラボがどのようなビジネスで生き抜いていくか。 このチャンスをどのようにとらえてビジネスを拡大していくか。 ということを考える必要がありました。
人数も65人とだいぶ増えた中で、ホロラボという会社の方向性を決める時期に来たのだと感じています。
MISSION,VALUEの役割と一般的なMISSION, VISION, VALUE(MVV)については次のように社内で説明をしています。
MISSION、VALUEの役割
- 方向性の明確化 - ホロラボ全体の進むべき道を示す。
- 意思決定の基準 - 判断に迷ったときの指針となる。
- チームの一体感 - 共通のゴールで結束力を高める。
経営者もMISSION,VALUEに従うというのが基本で、自分も含めてホロラボのメンバーはこのMISSIONとVALUEに従います。
MISSION,VALUEは組織の方向とミドルマネジメントの後ろ盾として使い、ホロラボでの行動の基準にMISSION,VALUEをモノサシとして考えます。
これらは昨年にみずほキャピタルの組織イベントでエッグフォワードの徳谷さん(PIVOTの社長改造にも出てる方)が言っていたことです(この時は自分もMVVを理解していなかったので「MISSION,VALUEって意味あるんですか?」って質問しました)。
一般的なMISSION, VISION, VALUEについて
- Mission(ミッション)
- 組織の存在意義や目的を示すもの。
- 何を達成したいのか、どのような価値を提供するのかを明確にし、日々の活動の指針となる。組織がどのように社会に貢献するかを表す。
- Vision(ビジョン) - 今回の合宿では策定しなかった
- 組織が将来目指す理想の状態や方向性を示す。
- 長期的な目標や夢を描き、組織全体の進むべき道を示すものであり、社員やステークホルダーが共感し、組織が一丸となって進むための目標設定となる。
- Value(バリュー)
- 組織の行動や意思決定を導く基本的な価値観や信念。
- ミッションやビジョンを実現するために、どのような姿勢やアプローチで活動するかを定めるもので、組織文化の基盤となる。
ホロラボのMISSION
ホロラボの新しいMISSIONは「フィジカルとデジタルをつなげ、新たな世界を創造する」です。
このMISSIONには次のような背景があります。
ホロラボの創業のきっかけとなったHoloLensのMixed Reality という世界観は、前に書いた通りリアルとバーチャルを連続的につなげることです。
リアル側に軸足を置くことがMixed Realityの中のAugmented Realityの特長でありホロラボの特長でもあります。 時は流れ、VRChatのようなVR SNSなどでバーチャルの世界で長い時間を過ごす方も増え、 バーチャルの世界がリアルである人も増えています。 また、この世界はあくまでもフィジカルが主であり、それをサポートする技術がデジタルだと考えます。 境界線はフィジカルとデジタルであり、ホロラボはこの2つをを繋げる価値を提供する会社として定義をしています。
フィジカルとデジタルがつながる世界の中には、
- ヘッドセットのようなデバイスを日常的に装着して生活する世界
- メタバースの中で生活や仕事をする世界
- AIと共存する世界
など、これまでの常識とは異なる世界があたりまえになってくることが現実的になってきました。
ホロラボはお客様や関わる人々とそんな新しい世界をいち早く創造し、世の中に向けて提供する会社を目指します。
ホロラボを創業してから8年経ち、市場の立ち上がりが進まないなかでも、いまであれば「新しい世界を創造する」ことができる。 いままでのような受け身の姿勢ではなく、攻めの姿勢で、自分たちが思い描く世界を作れる時が来たと感じています。
MISSIONの改訂の話自体は数ヶ月前より経営会議での場に出していたので2時間ほどでまとまりました。 MISSIONの役割の再確認、なぜいまMISSIONを作るのかという目的の確認を行い、ホロラボの目指す先やありたい姿を書き出して、ChatGPTに候補の数を出してもらいながら洗練させていきました。
ホロラボのVALUE
VALUEはMISSIONを達成するために実行する行動の指針となるもので、次の6つを策定しました。
- 技術で世界を驚かせる
- 期待を超える
- 桁を変えて考える
- 誠実に向き合う
- チームで早く遠くへ行く
- 素直にふりかえる
技術で世界を驚かせる
最先端の技術を駆使して常に新しい価値を創造し、世の中に驚きと感動を届けます。
ホロラボの強みは技術力でありコアバリューである。 この技術を使って世界中に驚きを届けることを最初のVALUEとしています。
期待を超える
ニーズを深く理解し、期待を上回る価値と体験を提供することを追求します。
技術で世界を驚かせるためには、お客様、社員メンバー、外部の方などさまざまな方の期待を超える必要があります。日常から相手の期待を理解し、その期待を超えていくように行動した先に「新しい世界が創造できる」と考えています。
桁を変えて考える
常識を超えたスケールで考え、大胆な発想と行動で、ビジネスと社会に大きな変革をもたらします。
経営合宿を始めるにあたり、ホロラボとしてどのような会社を目指すのか。ということを合意形成しました。 資金調達を実施したので、IPOやM&AでのExitがマイルストーンになります。ただ、それをゴールにすると更なる成長が難しくなります。最終的なホロラボの到達点を想定した上でExitをマイルストーンに置きました。
その際に、大きな会社にしていくという方向で合意し、そこ思考は現在の延長線上にはない。桁違いの成長が必要になる。そのためには思考も桁違いである必要がある。ということで、このVALUEを定義しました。
この数ヶ月、このVALUEに従うと、いままでとは違った考え方になることを実感しています。
誠実に向き合う
強い倫理観を持って誠実に取り組むことで、高い品質のアウトプットを実現し、全てのステークホルダーとの信頼関係を築きます。
「桁を変えて考える」に対するブレーキ役も兼ねていますが、やはり倫理的に正しいことを実行して成長することが大切です。桁違いの成長をするには何をしてもよい訳ではなく、誠実であることが周囲の関係者も含めてより良い結果になると信じています。
このVALUEもお客様、社員に対して誠実かどうか。という思考が挟まる事により、より自信を持って提示できるようになりました。
チームで早く遠くへ行く
個の力を結集し、協力し合うことで、より早く、より遠くまで到達し、最高の成果を追求します。
創業当時のホロラボは個の力を尊重して成長してきました。月日が経ち、この力はもちろん大事ですが、より大きな成果、より大きな案件を担当することが増え、チームとして対応することが増えてきました。
これは、この数年でホロラボの周囲の市場環境が大きくなってきたことの裏付けでもあります。
チームでスピード感を持って成果を出すことが、「新しい世界を創造する」近道だと考えています。
素直にふりかえる
成功も失敗も正直にふりかえり、学びと成長を続け、自分たちをより良くする努力を惜しみません。
「新しい世界を創造する」ためには多くのチャレンジが必要です。チャレンジをチームで実行し、その結果を素直にふりかえることで次のチャレンジをより良いものにできます。
VALUE策定の背景
実はMISSIONよりVALUEの方が策定に時間がかかりました。MISSIONは会社方針なので経営からの提示になるのですが、VALUEは行動指針なので社員などメンバーにどのように行動してもらいたいかを定義します。そのためメンバー一人一人を思う浮かべながら良い行動を言語化してまとめていきました。
実は2024年の2月に全社会を開催し、ここで行ったワークを元に新しいVALUEを策定するつもりでいたのですが、そもそものMISSIONの改訂などは未だだったので先送りにしていました。 この時にメンバーにワークしてもらった、ホロラボでの行動を元にVALUEを策定しています。
VISIONを策定しなかった背景
MISSIONは会社の目的を示し、そこに向かう中長期的な方向性や状態がVISION、MISSIONの達成に至るための行動指針がVALUEとなります。 今回、会社としてのVISIONを策定しなかったのは、ホロラボには多様なメンバーが在籍しており、それぞれの方向性でMISSIONに到達することが現状として望ましいと考えたためです。 VISIONは今月より新設された部ごとに定義して進むようにしています。
さいごに
このような経緯でホロラボは新しいMISSIONとVALUEを策定しました。
期が変わったので、本日よりホロラボ全員に対してこのMISSIONとVALUEを体現して行くようになります。
このMISSIONとVALUEによってより強い意志を持って業務に当たることができ、お客様に対する価値を提供し、ホロラボのメンバーの成果と成長を促進し、新しい世界を創ることができると確信しています。
このMISSIONに共感するお客様と新しい世界を創造するための取り組みの機会をいただきたいです。
このMISSIONとVALUEをホロラボのメンバーも共感して一緒に新しい世界を創造しましょう。
このMISSIONとVALUEに共感する方にホロラボのメンバーとして一緒に新しい世界の実現をしましょう。
明日
明日も中村が書きます。
お題は「ホロラボの紹介」です。