ホロラボ Advent Calendar 2024、5日目は、エンジニアリング部 部長/執行役員の林が担当します。
テーマは 「ホロラボの技術的な専門知識およびチームが使用するツールとプラットフォーム について」です。
簡単な自己紹介
私はホロラボにおいて、シニアソフトウェアエンジニアとして自社サービスやクライアントプロジェクトに関わってきました。 テレイグジステンス(遠隔臨場感)やARクラウド、AR/VR連携メタバースなどプロジェクトを中心に担当し、気が付けば既にホロラボに5年以上在籍しています。
2024年12月からのホロラボの新体制の中で、主にソフトウェアエンジニアのメンバーを率いる部門である「エンジニアリング部」の部門長を務める事になりました。地方在住という事もあり、スター選手の多いホロラボの中で、あまり表に出る活動はしてこなかったですが、これからは役割的にも露出が増えていくかもしれません。
この Advent Calendar では3本ほどの記事を担当予定です。よろしくお願いいたします。
Throw things at the wall and see what sticks
英語のイディオムで「Throw things at the wall and see what sticks」という表現があります。 これは、パスタを壁に投げつけて、茹であがりを確認する。という意味から転じて、 「試しにやってみて、うまくいくか見極める。反応を探る。」というときに使われる言葉です。(たぶん)
ホロラボが一つの専門領域としてやっているXR関連技術およびホロラボの会社の歴史自体がまさに、この状態の連続です。ホロラボの創業のきっかけとなったMicrosoft HoloLens は2016年に発売され、ホロラボはそのユースケース開発や検証を多くの業態の企業様と実施してきました。
それから約8年、2024年6月に国内で発売された Apple Vision Pro も Apple の社内での試行錯誤の後、製品として発売がされたのですが、どの分野で活用されるのか、今まさに検証が始まっている段階です。Meta Questもコンシューマー向けのみならずビジネス向けのユース開発に注目が集まってます。今秋には、国産の軽量XRグラス MiRZA も発売され、その特色を生かした利用シーンが模索されています。
半導体の塊であるXRデバイスはその進化のスピードが速く、ソフトウェア的にも、試行錯誤やバッドノウハウによる困難回避が常に求められる分野です。 ヒューマンインターフェースとしても、スマートフォンなどの視覚と手を中心にした操作だけでなく、体全体を入出力センサーとして利用できる特殊なデバイスであり、AIとの連携においてもデータ収集や提示における大きな可能性が注目されてます。
そのような中で、デバイスは変化すれど、変わらないノウハウやアイデア、技術を専門的に蓄積し、顧客企業が実現したい未来/DXを、迅速に提案実現していけるのがホロラボの強みであると考えています。
ホロラボは、HoloLens 特化の会社ではない
一方、創業時のエピソードなどから、ホロラボは XRデバイス(特にHoloLens) 向け開発に特化した会社と思われがちではあるのですが、実際のプロジェクトでは、現実世界とバーチャル世界をつなげるような3D空間に関係したシステム開発全般を行っており、フロントエンド端末としてはXRデバイスのみならず、2D Webブラウザ向けやスマートフォンアプリが活用されるケースも多いです。
ホロラボの技術はカンファレンスで公開しています。
ホロラボでは、ホロラボとともに新しい技術をいち早く使いこなす企業様と、それを支えるエンジニアの経験を広く共有し繋がり、より多くの人たちがこれらの技術を体験できるようにすることを目的とした「場」として、「ホロラボカンファレンス」というものを毎年開催しています。
2024年は4月に開発事例の共有を中心にしたホロラボカンファレンス 2024(ホロカン)を開催し、さらに10月には、エンジニア中心に開発中の技術や動向を紹介する HoloLab Tech Showcase 2024(ホロテク)を実施しました。
その内容はその多くがアーカイブとして公開されていますのそれぞれの技術の詳細は是非アーカイブをご覧ください。
2024/10/11(金) 開催 「HoloLab Tech Showcase 2024」アーカイブ
- https://blog.hololab.co.jp/entry/2024/10/29/165500
- https://www.youtube.com/playlist?list=PLcIuMEVR3eYdy9lKchJ4VBRqdjk4lWqe2
2024/4/18(木) 開催「HoloLab Conference 2024」アーカイブ
- https://blog.hololab.co.jp/entry/2024/06/04/073120
- https://www.youtube.com/playlist?list=PLcIuMEVR3eYegP17SKG_UPgERmmGStEr_
2023/4/21(金) 開催「HoloLab Conference 2023」アーカイブ
チームが使用するツールとプラットフォーム
ホロラボの開発体制は現在リモートワークが中心です。
開発メンバーは関東近郊在住者が中心ではあるものの、北海道から沖縄まで分散しており、ハードウェアが絡む開発は安全広い空間のある事務所でないと行えなかったり、特に企画設計フェーズにおいては対面でのコミュニケーションの方が非効率ではあれど高い付加価値を生み出せたりもしますが、通常の開発業務はプロジェクトチーム全員が対面で集まることは少なくリモートワークで進行していきます。
リモートワークにおいては、
- 同期/非同期コミュニケーションのバランス(プロジェクト/チーム毎で最適解は異なる)
- 信頼を生むテキストコミュニケーション/文書化の能力の向上
が重要で、常に試行錯誤しています。
効率を重視するのと、生み出す価値を最大化することは必ずしも一致しないので、私自身は、生み出す価値を最重視してコミュニケーション方法を選定しています。
また、コミュニケーションツールとしては以下のオンラインサービスが主に使われています。
- GitHub / GitHub Copilot
- ソースコード管理、開発コラボレーション、
- Miro
- オンラインホワイトボードとして
- 企画検討/設計検討
- チームビルディング
- 意思決定(プロセスと結論)
- オンラインホワイトボードとして
- Slack
- フローコミュニケーションが中心
- ハドルを活用した気軽な同期コミュニケーション
- esa
- ストックコミュニケーション が中心
- とにかく文書に残す
- PlantUML / mermaid
- 開発ドキュメントにおける図形描画
- UML作成
- Microsoft Azure / AWS / Google Cloud
- ゲームエンジン(Unity / Unreal Engine)
開発言語の一部
- Unity C# / C Sharp
- Unreal Engine / C++
- Swift
- TypeScript
- Ruby Rails
安定したオンラインミーティング環境(個人的に重視しているもの)
- 良いマイクとノイズの少ない環境(声は大事なアイデンティティ)
- 画面共有用のサブディスプレイ
まとめ
今日の投稿では以下の内容に関して、お話をしました。
ホロラボの専門知識
- 変化の激しいXRデバイスにおいての試行錯誤の経験と、変わらない部分のノウハウの蓄積
- センサー値を活用したリアルタイムレンダリング実現を支える軽量/高速描画技術
- 3Dデジタル空間を構築するためのスキャンからコンテンツ作成までの知識
- センサー値とAIバックエンドつないであらたな価値を生み出す知識
- 年1度のカンファレンス(ホロカン/ホロテク)で事例公開および技術公開を行っている。
チームが使用するツールとプラットフォーム
- リモートワーク中心の開発体制とそれを支えるツール
- 効率と生み出す価値のバランスをとったコミュニケーション方法の選定
- リモートワークは文書化能力と、オンライン会議の音質が大事
明日
明日は、新規事業開発部 部長/執行役員の久保山さんが担当します。
お題は「業界におけるホロラボの位置づけ」です!