【ご報告】XRデジタルツインPF「torinome」が第2回Technical Direction Awardを受賞しました!🎉

テクニカルディレクションアワード|Tech Direction Awards
この度、株式会社ホロラボが開発・提供するXRデジタルツインプラットフォーム「torinome」(トライノーム)が、第2回 Tech Direction Awards のデジタルサービス/プロダクト部門においてBronzeを受賞いたしました!
このような栄誉ある賞をいただけたのは、日頃から「torinome」をご活用いただいている皆様、そして共に開発を進めてきたプロジェクトメンバーのおかげです。この場を借りて、心より感謝申し上げます。
今回は、受賞プロジェクトである「torinome」について、そして授賞式の様子などをご紹介させていただきます。
主催団体「一般社団法人テクニカルディレクターズアソシエーション」について
今回のアワードを主催する「TDA(Tech Director's Association)」は、テクニカルディレクターという職能の価値を定義し、その認知を広めることを目的に活動している団体です。
TDAはテクノロジーがプロジェクト成功の鍵を握る現代において、技術的な知見を活かしてチームを導き、アウトプットを最大化する「テクニカルディレクション」の重要性を社会に発信しています。 このアワードは、そうした優れた功績を称える、年に一度の祭典です。
受賞プロジェクト「torinome」について
「torinome」は、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU」とXR技術を融合させ、空間上の多様な情報を現実に重ねて可視化・共有するためのXRデジタルツインプラットフォームです。
このプラットフォームの目的は、都市や建物、街路レベルの情報を現実空間に対応付けて表示することで、人々が空間に関する課題や可能性を直感的に理解し、体験を通じて対話・議論できる環境を提供することにあります。
実際に、以下のような多様な実証実験やワークショップで活用されました。
- 自治体との連携による対話型まちづくり:
- 加古川市: 市民参加ツール「Decidim」等と連携し、XRによる対話型の合意形成を支援。
- 八王子市: 清掃工場跡地の活用案をXRで空間に再現し、市民から統計的に有意なフィードバックを収集。
- 多様なデータとの連携と応用:
- 3次元人流データを3D都市モデルに重ね、都市の“今”を捉えながら未来を構想する体験を提供。
- Minecraftやレゴと連携し、子どもたちが自ら空間を組み立てXRで拡張する、新しい学びの場を実現。
iPadアプリやWebベースのCMS機能により、誰もが直感的に使える操作性も確保しています。「都市のデータをひらき、誰もが空間と未来に関われる社会をつくる」というPLATEAUの理念を体現し、まちづくりに限らず、教育・災害・観光など多様な領域で活用可能な、持続性と拡張性に富む基盤です。
制作クレジット
- 全体統括:伊藤 武仙
- PM兼テクニカルディレクター:加茂 春菜
- プロデューサー:松江 澄人
- ディレクター:山田 沙知、松川 元希、丸居 久仁男
- PFエンジニア:清水 聡、上田 章雄 、丸山純司
- XRエンジニア:田野 哲也、古田 裕介
評価された「テクニカルディレクション」のポイント
今回の受賞では、特に「広範な技術領域を横断し、社会実装に繋げた高度な設計・構成力」を高く評価いただけたと考えています。
torinomeは、都市・建築・UX・XRといった複数の専門分野をまたいで技術を統合する必要があり、その実現には高い挑戦が伴いました。
専門分野を横断する、高度な技術統合力
3D GIS表示のための「CesiumJS」、SaaSとしての設計、ARKitやVPSといった空間認識技術、そしてiPad、Vision Pro、Meta Questなど多種多様なデバイスへの対応。これら広大な技術領域を俯瞰し、運用可能な一つのシステムとして成立させる横断的な構成力が、本プロジェクトの中核でした。個々の技術の習熟だけでなく、それらを連携・整合させる高度な設計判断が不可欠でした。汎用性と現場適応性を両立するアーキテクチャ
審査員コメントでも評価いただいた「拡張性と柔軟性」は、私たちの設計思想の核です。torinomeは、強固な共通基盤を保ちながらも、地域やプロジェクトの目的に応じてUIや操作構造を柔軟に調整できます。アジャイル開発と実証現場のフィードバックサイクルを回し続けることで、汎用性と個別最適化の両立を実現しています。誰もがアクセスしやすい体験と社会的プロセスとの接続
技術的な挑戦だけでなく、「データフォーマットの統合という地味ながら重要な課題に丁寧に取り組んでいる」点も評価いただきました。多様なリテラシーを持つ人々が参加できるよう、直感的なUIをWeb、iPad、VRといった複数のインターフェースで提供。これにより、技術・制度・人を有機的に結びつけ、都市づくりや合意形成といった社会的なプロセスに着実に貢献の幅を広げています。

授賞式の様子:技術への情熱が集う場所
先日開催された「第2回 Tech Direction Awards」の授賞式は、技術の第一線で活躍するディレクターやクリエーター、エンジニアが集う、熱気に満ちた素晴らしいイベントでした。オンラインでの生配信も行われ、多くの視聴者がその様子を見守りました。授賞式の様子はYoutubeでアーカイブ動画をご覧いただけます。
他の受賞作品はどれも意欲的な作品が多く、ホロラボの社内でも「どうやってやったんだろう?!」などと話題になったプロジェクトやコンテンツなども多くありました。
そんな中で、「torinome」は、デジタルサービス/プロダクト部門でBronzeとして表彰いただきました。ステージに登壇した際は、改めてプロジェクトを支えてくださった皆様への感謝と、テクノロジーで社会に貢献していくことへの決意をお伝えさせていただきました。

Fun Technology!!をスローガンに、技術を楽しみながら成長してきたホロラボにとって、最新技術を活用して新しくも優良な体験を生み出すことに大きなこだわりを持って取り組んできた背景がありました。そして今回、このTDAという技術への情熱が集うこの場で大きな形ある評価を頂けたことは、何か長年の戦友に認めてもらえたような感慨深いものがありました。
今後の展望と感謝
今回の受賞を大きな励みに、私たちは「torinome」をさらに発展させ、誰もが3D都市データを活用できる「デジタルツイン時代のインフラ」となることを目指してまいります。
改めまして、本プロジェクトに関わってくださった全ての皆様、そして「torinome」をご利用いただいているユーザーの皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも、技術の力で現実世界とデジタル空間を繋ぎ、社会に新たな価値を提供していく挑戦を続けてまいりますので、引き続きのご支援、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします!