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未来のまちづくりをXRで体験!ホロラボの『torinome』を大阪・関西万博に出展してきました!

2025年5月20日から24日まで、大阪・関西万博の会場で開催されたテーマウィーク「未来のコミュニティとモビリティ」に参加し、ホロラボは「XR×まちづくり」をテーマに体験型展示を行ってきました。

今回ホロラボが出展したのは、国土交通省が主催するテーマウィークの中のひとつ、「Digital Twin Perspectives ― 現実と仮想が描く都市の未来」というプログラムです。

会場では、ホロラボが開発するXRデジタルツイン「torinome」と、Project PLATEAUの3D都市モデルを組み合わせた、市民参加型のまちづくり体験を展開。 幅広い世代・国籍の来場者に、都市空間を“見て、触れて、考える”新しいまちづくりの可能性を体感していただきました。

この記事では、その展示の様子や来場者の反応、運営中に感じたことなどもあわせてレポートします。

展示概要

  • 展示名称:「Digital Twin Perspectives ― 現実と仮想が描く都市の未来」
  • 開催期間:2025年5月20日(火)〜24日(土)
  • 会 場:大阪・関西万博 会場内 ギャラリーWEST(屋内展示室2)
  • 主 催:国土交通省(Project PLATEAU)
  • 出展者:株式会社ホロラボ(PLATEAUパートナー企業)
  • 展示内容:3D都市モデルとXR技術を活用した参加型まちづくりの体験展示(「torinome」使用)
  • 参考動画:XRデジタルツインtorinomeをつかったまちづくり

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会場となった「ギャラリーWEST」は、西ゲートからさらに奥に進んだエリアに位置しています。 東ゲートや会場中心部と比べると比較的落ち着いた導線ではありますが、ふらっと立ち寄ってくれる方も多く、「こんな展示があったなんて!」と驚きながら楽しんでくださる姿が印象的でした。

3D都市モデルでみる大阪・関西万博の全体マップ ※国土交通省 project PLATEAU (https://www.mlit.go.jp/plateau) 提供

期間限定の展示が体験できるギャラリーWEST

未来の万博を、あなたの手でつくる体験

ホロラボは、国土交通省が推進する「Project PLATEAU」が提供する3D都市モデルと、XR技術を組み合わせた市民参加型まちづくりの取り組みを、体験展示という形で紹介しました。

来場者の皆さんには、テーブルに広げた地図の上にARで浮かび上がる“大屋根リング”を眺めながら、好きなパビリオンカードを選び、自分のアイデアで未来の万博会場をつくるワークにご参加いただきました。

タブレットを使いARを見ている様子

テーブル上の地図に未来の万博のアイデアが浮かび上がる様子
この体験には、ホロラボが開発するXRデジタルツイン「torinome」プラットフォームを活用。 XR空間と3次元都市のデジタルツインがシームレスに連携しており、同じ空間を原寸大で現地シミュレーションしたり、巨人の視点で俯瞰体験したりと、自由にスケールを変えて体験できるのが大きな特長です。

みんなでつくりあげた“未来の万博”は、会場屋外エリアで1/90スケールのAR空間として再現。 iPadを片手に空間を歩き回り、最後は記念撮影&写真プレゼントも! 「すごい!」「楽しかった!」「思い出になった!」といった声をたくさんいただき、大変ご好評をいただきました。

屋外空間で1/90スケールで体験して写真撮影

予約なしで楽しめる!ライブ感あふれる展示の舞台裏

当初は、ワークショップを予約制にして時間をとって開催する予定だったのですが、実際に始まってみると、来場者のみなさんは予定が詰まっていたり、会場内の移動に時間がかかったりと、なかなか決まった時間に合わせていただくのが難しい状況でした。 また、「予約してまで参加するのはちょっと…」という方も多く、せっかく興味を持ってくださっても、タイミングが合わずに体験いただけないのはもったいないと感じました。

そこで急きょ、予約制をやめて「来た方から順番に、短時間で楽しめる体験形式」に切り替えることに。 対応は正直なところ大変だったのですが、その分たくさんの方に気軽に参加していただけて、「面白かった!」「わかりやすかった!」という声も多く、とても嬉しかったです。

会場が中心部から少し離れた場所だったこともあり、ふらっと立ち寄った方がそのまま体験してくれる場面も多くありました。 突然の雨で雨宿りがてら立ち寄ってくださった方や、「他の展示は予約で入れなかったけど、ここはすぐ体験できて楽しかった!」と話してくれる方も。

そして何より印象的だったのは、来場者の年齢や関心、言語の違いに応じて、その場で体験ストーリーを柔軟に組み立てられたこと。torinomeの操作性と構成の柔軟さがあったからこそ、こうした“ライブ感ある展示”が実現できたと感じています。

世代や国籍を問わず、幅広い来場者が体験に参加

やってみて、見えてきたこと

今回の展示を通じて、XR技術と3D都市モデルを活用した、新しいまちづくりの可能性を多くの方に実感していただけたと感じています。 特に、自分の手でパビリオンを配置し、未来の会場を創造する体験は、参加者の創造力や主体性を引き出し、「まちづくりって面白い」と思ってもらえるきっかけになったのではないでしょうか。

こうした“自分ごと化”の体験が、都市や地域に関心を持つ最初の一歩になることを、あらためて実感しました。

また今回は、国土交通省のご厚意により、一般にはまだ公開されていない万博会場の3D都市モデルを特別に貸与いただき、体験に活用することができました。 そのおかげで、PLATEAUの3D都市モデルが持つ価値や可能性を、来場者の皆さんに印象深く伝える体験設計を実現できたと思います。

世界的なイベントである大阪・関西万博に、このような形で参加できたこと、そしてこの機会をいただけたことに、PLATEAUチームの皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。 これからも“PLATEAUファミリー”の一員として、こうした取り組みをさらに広げていきたいと思います。

おわりに

ホロラボの「torinome」を活用した今回の展示は、XR技術を通じて、“誰もが参加できるまちづくり”の未来像を体験してもらう、貴重な機会となりました。 都市やインフラの話が“専門家だけのもの”ではなく、誰でも自分の視点で関われることを、来場者一人ひとりの体験を通して実感してもらえたのではないかと思います。

万博という、あらゆる世代・国籍の人々が集まる場で、年配の方や海外からの来場者も含め、多くの方が直感的に参加し、楽しんでくれる姿を目の当たりにしました。 その光景から、XRによる「見える」「体験できる」仕組みの力――つまり、可視化と体験化がもたらす理解の広がりをあらためて実感することができました。

誰でも関われる都市、誰でも想像できる未来。 今回の展示は、その可能性を少しでも身近に感じてもらえるきっかけになっていたら嬉しいです。(文章:加茂)