ブログ@HoloLabInc

株式会社ホロラボのブログです

アプリインストーラーを使用して HoloLens 2 にアプリをインストールする

いままでHoloLens 2にアプリをインストールするためには、ストアからインストールを行う、開発者モードのデバイスポータルからインストールを行う方法のみでした。

2020年12月のOSアップデートでアプリインストーラーによるインストールがリリースされました。

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アプリインストーラーとはドキュメントより

開発者モードを有効にしたり、Device Portal を使用したりすることなく、アプリをインストールできます。 (USB 経由または Microsoft Edge 経由で) appxbundle をデバイスにダウンロードし、エクスプローラーでappxbundle に移動して、インストールを開始するように求めるメッセージが表示されます。

という機能になります。

docs.microsoft.com

要するにVisual Studioで作成したアプリパッケージファイルをUSBメモリやブラウザからHoloLens 2にコピーすることでアプリがインストールできるようになります。

この機能は規定は有効になりますが、下記の場合には管理デバイスとみなされ無効になります。

  • MDM に登録されている
  • プロビジョニング パッケージ で構成された
  • ユーザー が Azure ADでログインしている

(となっているのですが、自分のHoloLensがMDMかつプロビジョニング パッケージかつAzure ADなのですが、(おそらく)証明書の設定なしにアプリインストーラーが有効になっていたので、なんらかの条件が整っていた可能性もあります)

インストールしてみる

実際にUSBとOneDrive経由でインストールを行ってみます。

USBは現地で簡単にインストールが可能、OneDriveなどWeb経由は遠隔や複数人への配布に便利です。Web経由はOneDriveに限らずBlobなどファイルアクセスが可能な場所であれば、どこからでもインストール可能です。

youtu.be

youtu.be

OneDrive場合、共有リンクの作成にて、簡単に権限設定もできるので便利です。

例えば、OneDriveで組織アカウント内のみの共有にしておき、HoloLens 2側も組織アカウント(Azure AD)でログインしていれば、そのままアクセスが可能です。

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Web経由でのインストール時のTips

Web経由でアプリをインストールする場合はURLをQRコードにしておくと便利です。

HoloLens 2はOS標準でQRコードを読む機能を持っているので、QRコードで展開すればHoloLens 2を装着して見ることでインストールまでの手順が可能になります。

QRコードの作成はなんでもよいですが、酒井さん( @saka_it )作成のQRコード作成、読み取りツールを使うと便利です。

qrpaste.netlify.app

おためし

おためし用のQRコードを置いておきます。

アプリはこのBlogのURLを開くだけのものになります。

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2020年のふりかえり

中村です。

4年目の今年も無事に終えることができました。お客さん、社員のみなさん、関わってくれた皆さんに感謝です。

PR的な内容はこちらから。

prtimes.jp

ふりかえりスライドです。

お客さん関係はまだ固まってないので、年明けに書き足そうと思います。今回は概要と社内について。

speakerdeck.com

概要

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ふりかえってみると、1年ではありますが、コロナ前とコロナ後で2つの違う時間を過ごしていたように感じます。

ただ、お客さんは予算で動いているので、いくつかの展示案件の納期が延びた以外で業務に関する影響はそれほどありませんでした。下期はコロナ禍特有の問い合わせが増えてきたこと、来期の予算編成などから、来年は腰を据えて取り組む必要があると感じています。

デバイスから見るとHoloLens 2は引き続きの取り組み。いままでと変わったこととして、社内的には1社ごとじっくり年間を通して取り組むこと、お客さんの内製のための支援が増えてきました。社外的にはデプロイフェーズに移った事例を含め、潮目が変わったように感じます。具体的には良い意味でHoloLensが中心ではなくなり、実業務にどのように取り入れるかという視点での取り組みを行うお客さんが増えたように感じます。

この辺りはXR Kaigi 2020やMR Dev Ddays Japanの基調講演をご覧ください。

youtu.be

youtu.be

そのようなフェーズの変化から社内の課題(というか、次のステップへの成長点)が見えてきたので、来年はいままで以上に成長できると感じています。

Magic Leap 1に関してはdocomoさんがかなり積極的に取り組みを行っていることもあり、社内でもかなりの比重を占めるようになってきました。どこまで行くのは見えないということはありますが、社内でもノウハウがたまってきているので、このまま進んでくれると嬉しいです。

NrealLightも2020年12月にコンシューマー版が発売され、お客さんの興味も高まっています。すでに案件も走っており、HoloLensやMagic Leapとはまた違ったシナリオでの活用も広がっていけばいいなと思います。

社内的にはPM、バックオフィス、経営企画など開発職以外の採用を重点的に行いました。これによって、会社の数字部分、機材やソフトウェアなどの管理が整ってきました。色々な意味で会社っぽくなってきた状況です。とはいえ、ホロラボの良い部分をなくさないように気にしながら体制、制度づくりを行っています。

来年は再度開発メンバーの拡充を予定しています。HoloLensやMagic Leap、NrealLigthなどのデバイス系はもちろん、AR KitやARCoreのスマホAR、クラウド連携のためのWeb技術を持った開発者の方とご一緒できればと思います。

ちなみに、2020年4月以降はフルリモートにしたので、採用から地域の枠を外しました。東京以外に住みながら一緒に働いている方も増えてきているので、地元にいながらご一緒いただける方もぜひ。

hololab.co.jp

社内

売上

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売上については、前年比で160%となっています。コロナ禍による不安定さと仕事の量から、結構な業務負荷になっていたと思います。また、開発メンバー以外の拡充により利益面の伸びが今一つでした。このあたりが来年の改善事項になります。

社員人数推移

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社員推移については、前年時で3人となっています(が実際には5人増えてるはずで、2019年の計算が間違ってる気がします...)。

実際には業務委託でご一緒している方もいるので人数的にはもう少し多いです。

社員ロール

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(ロールについても去年と違ってきているのですが、たぶん今年が正だと思います。去年自分は何を計算してたのだろうか...)

PM、経営企画、バックオフィスの拡充により、社内のことはお任せできるようになり、PMが増えてより多くのお客さんとのやりとりができるようになりました。

それでもまだあふれている状況ではあります。とはいえ、お客さんからの要求も高度化、広範囲化しているので、業務的にも採用的にもなかなか難しいという状況でもあります。

まとめ

業界的にゆるやかながらも確実に進んでいる状況ですので、引き続き成長しながら取り組んでいきたいと思います。

去年のふりかえり

2019年のふりかえりはこちら

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Azure Remote Rendering の Showcase アプリで、 モデル一覧がUnity Editor上では表示されるが実機では表示されない場合の対処

Azure Remote Rendering の Showcase アプリで、 モデル一覧がUnity Editor上では表示されるが実機では表示されない場合の対処についてまとめます。

再現状況

Azure Remote Rendering の Showcase アプリを実機で動作させたときにモデル一覧が表示されない。

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ただし、Unity Editor上では表示される。

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解決策

Visual Studio Installer より Windows SDK 19041 を削除する。

これでも症状が改善しない場合、コントロールパネルに残っている場合があるので、そちらも確認する。

根本的な原因は不明。

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合わせて読みたい

Showcase アプリを Release ビルドで実機実行した際に、 HoloLensの片目にエラーメッセージが表示される場合があります。

対処方法はこちら。

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「Mixed Reality Dev Days Japan」の基調講演を担当しました

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中村です。

Mixed Reality Dev Days Japan で基調講演を担当しました。 ホロラボの代表半分、 Microsoft RD半分の立場です。

docs.microsoft.com

当日すべてのセッションは録画が公開されていますので、ぜひご覧ください。

基調講演は幅広く、個別セッションは深いものになっています。

www.youtube.com

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Azure Remote Rendering に東日本リージョンが追加されました

Azure Remote Rendering に東日本リージョンが追加されました。

Azure PortalでのAzure Remote Rendering アカウントの追加はまだですが、レンダリングサーバーはすでに稼働しているようで利用自体は可能になっています。

github.com

従来との比較

実際に日本リージョンと従来一番高速だった東南アジアリージョンとを比較して試してみたところ、Network roundtrip*1

  • Southeast Asia: 120 ms
  • Japan East: 30 ms

と大幅に改善していました。

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ネットワーク要件についてはドキュメント( https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/remote-rendering/reference/network-requirements )に記載があり、 https://www.azurespeed.com のような測定サイトで

  • 最小要件: 100 ms 未満
  • 推奨値: 70 ms 未満

となっています。

実際に計測してみると

  • Southeast Asia: 約 90 ms
  • Japan East: 約 10 ms

と推奨値を満たしていることがわかりました。

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Unity での設定

セットアップの流れは以前と変わっていません。

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サーバーの設定のみ追加/変更になり、Showcaseサンプルの場合、RemoteRenderingServiceのRemoteRenderingServiceDevelopmentProfileにある、AccountDomainsおよびAccountDomainLabelsに日本の設定を記述します。

日本リージョンの設定として、下記を設定します。

  • AccountDomains: japaneast.mixedreality.azure.com
  • AccountDomainLabels: Japan East(任意の識別子)

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リージョンについてはこちらに記載があります。

docs.microsoft.com

以前のバージョンで開発したアプリもリージョンを変更することで日本リージョンを利用することが可能になっています。 いままでのAzure Remote Renderingではネットワーク遅延によってどうしてもモデルが安定しなかったのですが、日本リージョンで安定感が向上したため、かなり使える状態になったと感じています。

*1: HoloLensの情報をサーバーに送る → サーバーでレンダリング処理を行う → レンダリング結果をHoloLensに戻す までの時間