今月から発売が開始されたSurface Hub 2Sを購入したのでファーストインプレッションを書いてみます。
Surface Hub 2Sとは
Surface Hubとはデジタルホワイトボード型のデバイスで、Surface Hub 2Sは第2世代となり、以前の筐体に比べて小さくオシャレになっています。 www.microsoft.com
今回発売されたのではHub 2Sですが、Hub 2Xという製品が今後発売予定です。
Hub 2Xでは複数台連携や、縦横回転、Windows Helloによる認証などが追加されるとのことです。逆にいうと、Hub 2Sではこれらは提供されません。Hub 2SからHub 2Xへはモジュールユニットの交換でアップデートされるそうです。
Surface Hub 2Sウォークスルー
ホーム画面です。HoloLensに近いです。アプリはUWPのみというのもHoloLensと同じです。
一番使うであろうホワイトボードアプリ。拡大/縮小、移動によってどんどん書き足せるなど、無限ホワイトボードです。組織アカウントでクラウド上でバックアップや共有ができるので、ホワイトボードを写真で残す必要がなくなり、次回会議で続きの状態から始めることができます。個人的にはこれのために購入していると言っても過言ではありません(会議のデータ保存は結構めんどい)。
Teamsの会議画面です。デフォルトではSkype for Businessになっていて、Temasとして使用する場合には手動でパッケージを当てる必要があります。また、Teamsを起動するとホワイトボードも自動的に起動します。ここではPowerPointやWord,Excelも起動するため、画面を共有しながら会議をします。
設定画面です。公共の場所に置かれることが前提のため、設定を変更するには組織アカウントの管理者権限が必要です。
ストア画面。ストアへアクセスは設定アプリから行います。これも不要にアプリがインストールされないための措置だそうです。
Surface Hub 2Sの特徴
いいところ
- 55インチのタッチディスプレイでペン入力にも対応。
- 旧版では複数のペンの同時書き込みに対応していたが、Hub 2Sはペン1本の書き込みのみ対応。ただし、同時に書き込まなければ複数のペンでもかけるので、複数人がそれぞれペンを持って書くような運用でもOK。
- Office 365の組織アカウントによってデータがクラウド連携される。
- 公共の場所に置かれることを前提としているため、アカウント情報がセッションという単位によって全て消去される。
- ホワイトボードアプリで無限に書き込める。
- ホワイトボードアプリで前回の書き込みが復元できる。
- ホワイトボードアプリで書いたものが自分の別デバイスやチーム含めて共有できる。
- USBやBluetooth機器が接続できるので、キーボードやマウスを使うこともできる。
- HDMI、mini DisplayPort、USB-C、Miracastで外部PCからのミラーリングが可能。
- USB-C接続でHub 2Sのペンやタッチ入力を接続先のPCに反映することも可能
- ただし、入力の反映はHub 2Sの接続アプリでミラーリングした時のみで、この場合は画面の追従が少し遅れる
- もう一つのモードとして一般的な外部入力モードもあり、こちらは応答が速い(ただの外部ディスプレイにはなってしまう)。
微妙なところ
- アカウントが毎回リセットされるので、アカウントを毎回入力する必要がある。
- スクリーンキーボードでパスワードを入力するのはためらうので、外部キーボードは接続しておいた方が無難。
- アカウントがアプリ単位なので、アプリごとにアカウントを入力する必要がある。
- Temasアプリはあるが、使える機能は会議(Skype for Business相当)のみ。
- OneDriveアプリがない。
総じて
現状は出始めの最低限の状態というところでしょうか。
まずはSkype相当のビデオ会議機能とホワイトボードアプリによる会議記録がメインのようです。
アプリはストアからインストールできますが、あらかじめHub用に設定されたアプリのみインストールが可能です。という意味で、OneNoteはHub用に設定されておらず使えない状態です。後述するHub 2SのOSバージョンや、毎回アカウントを設定してデータをダウンロードするという時間を考えると、シンプルなホワイトボードアプリのみを提供するというのは納得できなくはないです。
アカウントについてもHub 2XでWindows Helloが提供されるとのことで毎回入力する煩わしさは軽減されるかと思います(その分のコストもかかりますが)。
Hub対応していないOneNoteアプリと、Hub対応しているTwitterアプリ
Surface Hub 2Sアプリの開発について
Hub 2SはUWPの2Dアプリが使用できます。アプリはストアからのインストールと、開発者モードでのVisual Studioからのインストールができます。デバイスポータルやPowerShellを持たないので、パッケージからのアプリインストールはできないようです。
設定アプリからHub 2Sを開発者モードに設定します。
すると最初の画面で開発者モードの表示とHub 2SのIPアドレスが表示されます。このIPアドレスにVisual Studioからリモートで接続します。
一点だけ注意事項として、現状でのSurface Hub 2SのOSバージョンは15063(1703/Windows 10 Creators Update)とだいぶ古いバージョンとなっているので、UWPの最小対応バージョンの設定に注意が必要です。
一般的なUWPの2Dアプリはもちろん、Unityで開発してUWPビルドしたアプリ(HoloLensと違いVRサポートなしで2Dアプリとしてビルド)の実行も可能でした。
Surface Hubで豆腐でたw pic.twitter.com/x3lX3K0X3Y
— 中村 薫(Kaoru Nakamura)@HoloLab Inc. (@kaorun55) 2019年9月10日
. @hi_rom_ 「このSurface”ハブ”アプリは私が作りました」 pic.twitter.com/FCo9S7km5f
— JackMasaki (@JackMasaki) 2019年9月10日
このSurface Hubアプリは私が作りました pic.twitter.com/Uhz5r1POgi
— 中村 薫(Kaoru Nakamura)@HoloLab Inc. (@kaorun55) 2019年9月10日
. @akihiro01051 「私はSurface HubでWebRTCを動かしました」 pic.twitter.com/9o7Dftk3IC
— 広務(Hiromu) (@hi_rom_) 2019年9月10日