ブログ@HoloLabInc

株式会社ホロラボのブログです

HoloLens 2と5G回線

やっと手元の5G端末が5G回線をつかんだので記録として残しておきます。

回線はdocomo、場所は盛岡駅西口タクシー乗り場付近で、HoloLens 2に5GのAndroid端末をUSBテザリングで接続しています。計測した場所が4Gと5Gの境目だったので速度はそれほどですが、かなりの速度がでています。

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docomoでの5G対応エリア/スポットは下記になります。

www.nttdocomo.co.jp

HoloLens 2は2020年5月のアップデートでUSB接続のLTEドングルや5G端末を直接接続することが可能になりました。

blog.hololab.co.jp

このように5G端末とHoloLens 2をUSBケーブルで接続し、5G端末(Android)をUSBテザリングにします。これでHoloLens 2は設定なしにインターネットへの接続が可能になります。

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回線速度について

回線速度について記録しておきます。ここは先ほどと違い盛岡駅構内で、かなり環境が良さそうでした。

Android 5G端末上での回線速度は400Mbpsを越えており、自宅のネットワークより高速でした。

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PCとのテザリングについて、上がUSBテザリング、下がWiFiテザリングになります。だいぶ速度が変わるので、速度と接続数によって使い分けが必要です。

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HoloLens 2の実機でHandMenuやSolverなどが動作しない場合の対処

HoloLens 2の実機でHandMenuやSolverが動作しない場合の対処についてまとめます。

再現状況

  • MRTK 2.4
  • Unity Editor上では動作するがHoloLens 2実機上で動作しない
  • Debugだと表示されるがReleaseにすると動作しない
  • HandMenu、DirectionalIndicator、Solverで確認(根っこがSolverなので、そこから派生するものに影響する)

原因

Visual Studioの不具合で、つぎのMRTK 2.5で修正が入るようです

ただし「Visual Studioの不具合なので修正が入る予定だけどもまだしばらくかかりそうなので、ビルド後に書き出したプロジェクトの設定を直す仕組みを入れることでの対処」のようです。

github.com

解決策

下記のどれかの対応で解決します。

  • コンポーネントでの Smoothing を OFF にする
  • ARM64ではなくARMビルドにする
  • Unity でビルドした VS ソリューションのコンパイルオプションを追加する

コンポーネントでの Smoothing を OFF にする

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ARM64ではなくARMビルドにする

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Unity でビルドした VS プロジェクトのコンパイルオプションを追加する

--compiler-flags="-d2ssa-cfg-jt-"

github.com

こちらは @kazeno_ashura さんに教えていただきました。

Azure Remote Rendering(プレビュー) 単体セットアップ (2020年9月版)

Azure Remote Rendering(ARR) セットアップがだいぶ変わっていたので「2020年9月版」として動画にまとめました。なお、単体としているのは現在のARRではPhotonとAzure Spacial Anchors(ASA)を使用したSharingも可能になっているためです。ARRのSharingについては別記事にて紹介予定です。

ARRの概要はこちらを参照してください。

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セットアップ動画

Azure環境の作成からHoloLens 2での動作確認までまとめた動画です。

www.youtube.com

ドキュメントはこちら

docs.microsoft.com

リポジトリはこちら

github.com

ポイント

設定方法の変更によって、いつくか動作が止まるポイントがあります。

ストレージアカウントへRemote Renderingの権限を付与する

ストレージアカウントで下記3つの権限をRemote Renderingに付与します。この手順が抜けている場合、モデルを選択した後でエラーが発生します。

  • 所有者
  • ストレージアカウント共同作成者
  • ストレージBLOB共同作成者

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Windows 10 SDK(10.0.19041.0) をアンインストールする

Windows 10 SDK(10.0.19041.0)がインストールされている場合、実機上の動作でモデル名が見えない現象が発生します。Unityのビルド設定でSDKバージョンを変更しても改善せず、現状ではアンインストールでのみ改善を確認しています。

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下記のように、Unity Editor上ではモデルが見えますが、HoloLens 2の実機上ではモデルが見えなくなります。 f:id:kaorun55:20200914070413j:plain

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Azure Remote Rendering Asset Tool

こちらは便利な改善で、モデルファイルのアップロードや変換、レンダリングをPCで行うことができるGUIアプリ(ARRT)が提供されています。

github.com

従来はモデルのアップロードと変換はサンプルに付属されているPower Shellスクリプトで行っていました。これがアプリのGUIからできるようになりました。

また、PC上でのレンダリング確認も行えるようになり、環境構築後の確認やデスクトップ上での動作閲覧などが手軽に行えるようになりました。

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ARRでは10億ポリゴンまでは動作が確認されているようです。手元の環境で4GBほどのFBXはローカルの環境では開くことができなかったのですが、ARRTではレンダリングできた(ポリゴン数は1.3億になっていました)ので、大容量ファイルの閲覧にも利用が可能です。

大容量ファイルの変換時には最新のv1.3を使います。以前のバージョンでは変換中にタイムアウトする不具合があるそうです。参考までに上記4GB/1.3億ポリゴンのFBXは変換完了までに3時間かかりました。

Release v1.3.013500002-a156a395 · Azure/azure-remote-rendering-asset-tool · GitHub

Azure Remote RenderingのSharing

動作例がこちらです。

モデルの表示やToolsの操作がPhotonで同期されます。位置合わせはAzure Spatial Anchorsで行いますが、こちらのケースではうまくいかなかったので要調査です。

www.youtube.com

Azure Spatial Anchors

Azure PortalよりSpatial Anchorsを作成します。

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UnityのAnchoringServiceよりそれぞれを設定します。

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Photonの設定

UnityのAsset Storeから「PUN 2 - FREE」をダウンロード、インストールします。

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Photonより「REALTIME」のアプリを作成します。

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ここで取得したAppIdをセットアップ時に入力します。

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あとはビルドするだけです。

なお、Photonのビルド時にエラーが発生する場合があるので、対処はこちら

blog.hololab.co.jp

「SHINAGAWAイノベーションフォーラムin五反田バレー」で登壇しました

2020/8/5に開催された「SHINAGAWAイノベーションフォーラムin五反田バレー」に登壇しました。

スライドはこちら。

speakerdeck.com

成長戦略とは。という感じではありますが、新しい事業において自社の成長は業界の成長と比例していると考えているので、ホロラボの成長から業界の成長が読み取れればいいのかなと思います。

新しい技術はお客さんも自分たちがやりたいことがたくさんあるので、それを実現するために受託開発が必要だと考えています。お客さんと新しい技術を学びながら会社や業界を成長させていくことが、新しい技術の溶け込ませ方だと考えています。

「Power Apps オンライン勉強会+座談会」に登壇しました

「Power Apps オンライン勉強会+座談会」に登壇しました。 powerapps.connpass.com

スライドとデモ動画は下記です。

speakerdeck.com

youtu.be

デモシナリオとPowerAppsを利用する理由

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HoloLensでの点検支援とその記録というデモシナリオで、点検個所をHoloLensで表示しつつ写真で点検を記録しています。HoloLensでの点検個所はVuforia Area Targetを使用して自動で位置合わせができるようになっています。マーカーが不要で位置ずれも起きにくい(ずれても再度合わせるので、ずれが目立たない)ようになっています。

最近の仮説として、HoloLensのアプリと業務部分は切り離したほうが良さそうというのがあり、業務部分はPowerAppsで完結させ、HoloLensは業務支援部分だけをアプリ化しているイメージになります。

業務部分をPowerAppsで作成しているため、HoloLensだけでなく、スマートフォンでの閲覧も可能になっており、一つの構成で複数のデバイスのサポートが可能になります。