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ATL-MRイベントシステム開発ブログ第3回「ユーザー体験の向上」

ホロラボ武仙です。 ATL-MRイベントシステムについて、3回目のアップデートをお送りします。

今回は、ユーザー体験の向上を目指した細かな機能開発について。

  • デザイニウムYoutubeチャンネル

HoloLens、HTC VIVE、OculusGo、、、ホロラボ/デザイニウムオフィスにある各種xR系のデバイスを「とりあえず繋いでみよう」的なノリで空間共有して動かしてみたところから始まってるこのシステム。

実際にプロトタイプを動かして使い始てみると色々と新しく気付くことがありました。何といっても、VRとMRで見えてるPhysicalな現実が繋がって相互に作用する体験自体が、私たちの想像を超えたものでした。

  • 各デバイスごとのチュートリアル

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動画の最初はコントローラーの使い方。各種システムそれぞれで微妙にUIが異なるので、それぞれの使い方を初心者にもわかるようにしよう、ってことでログイン画面にとりあえずチュートリアル的な絵を出してます。たぶん、これももうちょっといい方法が産まれるはずですが、まだプロトタイプなのでこれでご勘弁w

  • VRミラーと、自撮り&VRカメラ機能

OculusGoとVIVEで使ってみて「自分が見えない、どんな姿をしてるか分からない」っていう不安感から生まれたのが次の「自撮り機能」と「鏡」。とりあえず繋げた段階で、HMD越しに視野は見えてるんですが、自分の体が見えないっていうのって結構不安なものと気付く。自分の体を出すっていうのも一つの解決策ですが、とりあえずはVR空間内に鏡を配置して自分の姿が見られるように。

f:id:takesenit:20181028112247p:plain *同システム開発担当の屈強な?MattさんがUnityちゃんをバ美肉して喜びのアイコンを出してる図

あと、自撮り機能で背景と一緒に見ることが出来るようにしました。何人かで集合して、記念写真を撮るような使い方がされるようになると嬉しい機能。

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あと、この自撮り機能をスマホのようにリア/フロントのカメラ切り替えを実施すると、なんとVRカメラが完成。

この機能で、VRの中ではどのようなコミュニケーションが行われているのかを収録して、必要であれば現実世界に放映することが出来ます。利用法としては、VRカメラマンを1名VR空間内に配置して、撮影した映像を現実世界のイベント会場のプロジェクターとかでリアルタイムに大写しで放映することを考えています。

  • スライドへのポインター機能

最初にLightning Talkのような登壇者と参加者のいるイベントを想定。試しにスライドの内容を説明してもらったんですが「ここ」っていうのが音声だけだと全然分からないw そこで、スライドに対して登壇者や参加者が指定した位置にポインターを表示出来るようにしました。HoloLensユーザーがAir Tapでポインターを置いた場所が、他のユーザーでも位置共有して表示されます。

  • 高さ調整

VRの場合には座ってログインするのか、立ってログインするのかで、最初は視点の高さを現実世界そのままと同じく設定をしていました。ただ、座ってログインしたユーザーは他のユーザーの顔の位置を「見上げるような」位置になってしまって、なんだかVR空間でも背が低いような劣等感を感じましたw

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VR空間内での高さ方向はある程度自由にしたいよね、ってことで高さ調整の機能が実装されました。背の高くない武仙としては、ぜひこの機能で物理空間で参加してるユーザーを見下ろしてみたいw

ということで、作ってみて、動かして見て、気持ち悪かったり、必要だなと思った機能を一つ一つ実験的に作って行っています。現時点では関係者のみでの小規模なテストですが、近いうちにブログを見て頂いている皆さんにも、MRもしくはVRで参加して頂くテストを実施したいなと思っています。

テストユーザーの募集はこのブログ等でもご案内していきますので、気になっている方はぜひお楽しみに!

  • シリーズバックナンバー

第1回: 「ATL-MR」とMRイベントシステム https://blog.hololab.co.jp/entry/2018/10/04/175300

第2回:「VR側の世界」 https://blog.hololab.co.jp/entry/2018/10/27/233723

ATL-MRイベントシステム開発ブログ第2回「VR側の世界」

ホロラボ武仙(@takesenit)です。

ATL-MRイベントシステムについて、2回目のアップデートをお送りします。 ブログでタイムリーにお送りしようと思ってたんですが、開発のスピードの方が執筆を遥かに上回っていますので後追いになっちゃってますw

前回、リクルートテクノロジーズ・アドバンスドテクノロジーラボ(ATL)さんとご一緒に企画開発してるMRイベントシステムの開発経緯などをプロトタイプの動画を使ってご紹介しました。

第1回: 「ATL-MR」とMRイベントシステム https://blog.hololab.co.jp/entry/2018/10/04/175300

Mixed Realityとのことで現実とデジタルが混在する不思議な体験を前回はちょっとだけ映像でご紹介しましたが、今回はちょっと細かく、主としてVR側での動作イメージを動画でお送りします。

  • ATL-MR Event System - Status02 (デザイニウムYoutubeチャンネル)

ビデオの最初はログイン画面。Twitterのアカウント名を入力するとアイコンを流用します。また、VR側で表示されるアバターを選択。「Start」アイコンを選択すると、目の前にはVR空間に再現されたホロラボオフィスの光景が広がります。

前回の動画ではCADデータそのまま色を付けただけの真緑だったホロラボオフィスの各所にそれっぽいテクスチャが貼られたり、本物っぽい家具が配置されたりでかなりリアルに再現されました。積みあがったデバイスのダンボールまで再現されちゃってますww

現時点で、対応VR機器はHTC VIVEとOculus Goの2種類。もともとVIVE向けをメインで開発していたのですが、機器の価格と普及台数からOculus Goでも動くようにマイナーチェンジする形で対応しています。

動画前半はHTC VIVEでの動作イメージ。コントローラーのUIがリッチなので慣れると使いやすいです。

左手のコントローラーには2Dベースのナビゲーション。Mixed Realityな空間のどこにだれがいるかがアイコンで 表示されていたり、音声コミュニケーションのエリア分け(VOIP Area)が一目瞭然。

移動は右手コントローラーのトリガを使ったワープ。VRは動かなくてもVR空間で移動できるのがラクでいいですよねw

当初はワープ移動だけで、向きを変えるには自分が頭を回さなければいけなかったのですが、先日実施したテストでATLの担当さんからアドバイスを頂いて、ワープ移動だけでなく回転もコントローラーで実施出来るように現在改良を加えているところです。

VR空間と実空間との間でのコミュニケーションをどのようにうまく実施するかを考えて、現状は音声と、アイコンなど記号化されたコミュニケーションを主軸において開発をしています。

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コミュニケーションを取りたい相手のアバターやアイコンをコントローラーで狙って、「Hello!」や「後で話しよう」などの定型テキストメッセージが送信出来たり、自分の周りに感情を表現するアイコンを出したりが出来ます。

また、VIVEはコンピューティングリソースもリッチなので、同時に俯瞰映像を外部出力したりも可能。

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Mixed Realityなイベント会場がどんな雰囲気なのか、誰がどこでどんな感情でイベントに参加してるのかを見ることが出来ます。

動画の真ん中あたりのSide by Sideの映像はOculus Goの画面。基本動作と機能はVIVEと同じなのですが、コントローラーが1台だけなので若干使い方が異なります。

最後の方は、Androidベースで開発された管理画面の動作イメージ。

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これはリアルなイベント会場でHoloLensを被った登壇者が手にもって活用するイメージで、VIVE同様イベント会場全体の配置と、イベント会場各所に配置されたスライドそれぞれの内容に対するリアクションなどが閲覧可能。イベント参加者のリアクションに応じたプレゼンテーションなどが実施出来るよう開発しています。

次回第3回は、Mixed Realityイベント体験を快適なものに出来るよう開発している細かな機能についてご紹介します!

ATL-MRイベントシステム開発ブログ第1回「ATL-MRとMRイベントシステム」

ホロラボ武仙です。会社のブログで書くのは初めてなので優しくしてくださいw

これから数回に分けてリクルートテクノロジーズさんの研究開発機関、アドバンスドテクノロジーラボ(以下ATL)さんとご一緒に企画開発していますMRイベントシステムについて、開発の経緯や進捗をこちらのブログでお送りしたいと思います。

第一回目は、いきなりですが進捗動画からご紹介と、後半で開発経緯をば。 しかも動画はいきなり長尺。いきなり全部というか大部分の動作してるプロトタイプをお見せします。どん!

*いきなり見ても何か分からんと思いますので、今はあまり細かく見ないでくださいw

  • デザイニウムYoutubeチャンネル

youtu.be

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現在やってるのは、「RealとVirtualを繋げる」ことと、「デジタル技術によるコミュニケーションの深化」への挑戦。

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大上段に構えてますが、システム構成的には、ネットワークを介していろんな機材が繋がってる感じ。 Oculus Go、HTC VIVE、HoloLens、Androidタブレット。 そしてシステムの世界には、VirtualとReal、2つの空間があって、相互に作用します。

[開発経緯]
ClusterやVRChatなど、VRコミュニケーションプラットフォームやソーシャルネットワーキングシステムが流行ってきています。少なくとも武仙の身の回りではw

VR空間でのコミュニケーションは現実の空間や物理にとらわれない新しい体験を提供してくれます。実際ATLさんとの企画会議もOculus Roomを使って全員遠隔の状態で実施してみたりしましたが、刺激的なものでした。

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一方で、この開発プロジェクトでは現実世界の場が持つ魅力にも着目。表情、呼吸、目線、手触り、ざわめき、空気感。

ATLさんが3月に発表された「ATL-MR」のコンセプトムービーの中では、現実の世界であるATL広尾を舞台に、RealとVirtualが混然一体となった世界が描かれています。

LEARNING・DEVELOPING・CO-EVOLUTION

現実のATLという場を基軸に、デジタル技術による繋がりとコミュニケーションが産まれ、共創が実現する。 そんな世界を、実際に作っていきます。

今、ATL-MR実現に向けた試行錯誤が始まっています。

次回以降は個別の技術要素などをお送りしたいと思います。 ご期待ください!

取材記事「建築・製造の現場で導入が進む「HoloLens」の現状」が公開されました

ライターの西田宗千佳さんに取材いただいた、ホロラボでのHoloLensビジネスの取り組みについての取材記事が公開されました。

HoloLensビジネスの動向やよく聞かれる質問、今後を見据えた動きなどを掲載いただいています。

ぜひご一読ください。

www.itmedia.co.jp

記事中のトヨタ社の事例についてはこちらが詳しいです。

ar-bito.com

また、建設業で先を行くインフォマティクス社の取り組みについても合わせてご覧ください。

news.mynavi.jp

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CTOゆーじが「VRコンテンツ開発ガイド 2018」を執筆で執筆しました。発売日は2018年8月28日です。

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